EVI(Eco Value Interchange)

日本の森と水と空気を守る

EVI活動報告

2017.04.11

EVIは小国町役場様、小国町森林組合様と共同し
小国材の活性と木工商品開発を協議
2017年4月6日(木)〜7日(金)熊本県小国町訪問

先月、小国町北里町長との小国材を活用した商品開発について協議した件で、EVI加藤とデザイナー2名で打ち合わせ及び林業、木工についての現地研修に伺いました。役場の長谷部さん、波多野さんより熊本空港までお迎えいただき、小国町の伐採見学場へ。

【伐採見学】
 現場では「藪の中でもよく育つ」という成長の良いヤブクグリの品種が生息。小国町森林組合の穴井参事、入交さん方をご紹介いただき、小国杉の紹介や約50年にもなる杉の伐採見学をさせていただきました。小国杉は、寒暖差から木目の詰まった比重の高い丈夫な杉になることから主に建材や家具などに使われ、木の先は木質バイオマスや葉はエッセンシャルオイル等に活用されるそうです。
【「250年の森」・「小国ドーム」を見学】
 木造立体トラス工法で建築された大型木造施設「小国ドーム」の建材5,602本のひとつひとつに、建築当時の町内に住む子供達の名前が記されていることに、250年続く林業の誇りと将来小国町の屋台骨を支える子供達への期待を感じました。
【小国材を活用した商品提案】
 最後に役場へお伺いし、北里町長、澁谷産業課長、長谷部林政係長と小国町森林組合の渡邉様へ小国材を活用した商品デザインをご提案。今後はさらに小国町の意向をおうかがいし、タイアップ商品として商品の選定やデザインなどを検討。また、EVIの過去の環境貢献実績の中から温泉郷で環境貢献に参加する「小国町グリーン&クリーン・リゾート」や地元の産品を道の駅間で交流させる「道の駅ネットワーク構想」など地域と森林の活性をご提案させていただきました。打ち合わせ後は、再び森林組合穴井参事と入交さん、時松代表理事組合長をお迎えし今後の小国町とEVIとの連携を深めるため懇親会が行われました。
【木工所見学】
 小国町内にある木工所、(有)田代石材工業の田代さんをご紹介いただき、「森のめぐみのおとりよせ」の品々に関心を寄せられ、EVI加藤からは、カルネコの本業からEVIの活動に至った経緯をご説明しました。田代さんにEVIにご賛同いただくとともに、今回ご提案したデザイン案についても全て試作を行っていただけるとのことでした。また、仕事場にあるレーザーカットなどの加工機材をご説明いただき、丁寧に仕上がったくまもんのキーホルダーなどの製品に、弊社デザイナーも新たな商品開発へとても心踊る様子でした。
【土場〜製材所〜地熱乾燥見学】
 続いては、月に2回町内外に向けて原木市が行われている土場へ。小国町森林組合で扱う杉は「SGEC森林認証」を取得しているため、適正に管理された森林と環境に配慮して伐り出されるとともに生産履歴の追跡も可能で、消費者に安心して使っていただいているとのことでした。製材業の小国ウッディ協同組合では、児玉専務理事に施設のご説明をいただき、用途別に分けられた丸太は適切な形に切り出され、乾燥させ、主に床材や構造材などに加工されます。小国杉本来の色、艶や油分を保ち、床板はしっとりとした優しい感触を残していました。
 木材の乾燥には小国町の地熱水蒸気を利用した「地熱乾燥」を取り入れ、従来の化石燃料(重油など)による乾燥より自然環境に負荷をかけない手法で行っています。岳の湯地熱乾燥の倉庫では、低温〜中温でじっくり1週間ほど木材への負担を抑えながら水分含有量を20%以下に落とします。また、小国杉は酸の放出量が少ないため九州国立博物館や沖縄県立博物館・美術館の収蔵庫の内装材としても採用されているそうです。  訪問中ご案内していただきました、小国町役場の長谷部さん、波多野さん、森林組合の穴井参事、入交さん、町内の方々へ御礼申し上げます。

◆まとめ
総面積の78%が森林というとても緑豊かな山々に囲まれた小国町は、小国杉の特徴と地の利を生かした製品作りでブランドを確立化をさせており、自治体・森林組合・製材所さらに地元のアイデアやデザイナーによって地域活性を図りながら、環境貢献・森林支援を考える先進的な町だと感じました。EVI推進協議会でも、オフセット・クレジットの流通だけでなく木工品のデザインからECサイトでの販売などで木材そのものを動かしていくマーケティングサポートをしていきたいと思います。



 

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